在宅酸素療法は、酸素を十分に取り込めない方が濃度の高い酸素を吸入することで症状の改善が期待できる治療方法です。当院では多くの患者様がこの療法を利用しており、新規のご相談も歓迎しています。
本記事では、「在宅酸素療法ってどういう人が使えるの?」「管理が大変そう…」といったお悩みにお答えします。
訪問診療で在宅酸素療法が受けられます
在宅酸素療法は、慢性呼吸不全や慢性心不全などの患者様が、自宅で生活しながら酸素吸入を行う治療です。酸素を吸入することで臓器の負担を軽減し、息切れなどの症状を和らげます。
もちろん、訪問診療でも受けることができます。保険適用のためには、1か月に1回以上の医師の診察が必要ですが、この診察はクリニックへ通院と訪問診療のどちらでも可能となっております。訪問診療では、患者様の体調や病状の診察に加えて、十分な酸素濃度や吸入量を保てているか、使用環境は適切かなどの確認を行います。
在宅酸素療法を受けられる方
酸素療法は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、間質性肺炎、肺がんなどの病気で低酸素血症がある方が主な対象です。1985年から保険適用されており、保険を利用するには定期的な診察が必要です。当院では月2回の診察を行いますので、保険適用が可能です。
「階段の上り下りで息切れがするけれど、こんな症状でも在宅酸素療法を受けられる?」など、どのような症状でもまずは一度当院にご連絡ください。診察の上、在宅酸素療法を含め、適切な処置をご提案させていただきます。
在宅酸素療法のメリット
在宅酸素療法によって息切れなどの自覚症状が改善し、住み慣れたご自宅でご家族と過ごすことができます。また入院回数を減らせるので、ご自身やご家族の負担も少なくなります。高濃度酸素を吸入することで病状が安定し、軽い運動が可能になるなど、QOL(生活の質)の向上も期待できます。
また、在宅酸素療法の導入時には、据え置き型の酸素濃縮器と併せて、ポータブル型の酸素ボンベも導入させていただきます。近年は酸素ボンベの小型化・軽量化が進んでおり、ものによってはシルバーカーに乗せたり、バッグのような感覚で持ち運んだりすることも可能です。患者様お一人おひとりのライフスタイルに寄り添った医療をご提供できるよう努めてまいりますので、導入前・導入後を問わず、気になることがあれば何でもご相談ください。
機器の取り扱いと注意点
在宅酸素療法に使用する機器は医療機器ですので、適切な管理が必要です。酸素を吸入する際は、チューブが外れていないか、ねじれがないか確認しましょう。吸入量は医師が処方した適切な量を守り、体調に変化があった場合はすぐにご相談ください。
酸素供給機器は火気厳禁です。火を使う調理や暖房器具のそば、直射日光が当たる場所など、引火の危険がある環境は避けて設置しましょう。また、タバコの火も引火の原因となり大変危険です。吸入中は、もとより呼吸疾患改善のためにも禁煙しましょう。
訪問診療について
当院では、在宅酸素療法をより効果的に行うために、訪問診療という形で患者様のサポートをしております。
訪問診療は、事前の計画に基づいて定期的に診療を行う在宅医療サービスです。突然の症状に対応する「往診」とは異なり、あらかじめ決めた日時に医師が訪問し診療を行います。訪問診療の対象は、通院が難しい方が主で、たとえば以下のようなケースが該当します。
- 退院後、自宅で療養される方
- 寝たきりの方、またはそれに準ずる方
- ご自宅での緩和ケアを希望される方
- 通院が困難な方
- カテーテルや胃ろう、在宅酸素療法など医療管理が必要な方
- 一時的な退院や手術までの待機期間を自宅で過ごされる方
訪問診療の可否は主治医の判断によるものとされています。当院では、通院が難しい方や医療管理が必要な方を対象に、幅広い医療ニーズに応えています。訪問診療をご希望の方は、ぜひ当院にご相談ください。専門医がしっかりとサポートいたします。
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