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前立腺肥大とは?症状・治療法と訪問診療でできるサポート

前立腺肥大は、特に50歳以上の男性に多く見られる病気で、排尿に関するさまざまな問題を引き起こす原因となります。年齢とともにリスクが高まるこの疾患は、日常生活の質に大きな影響を与えるため、早期の発見と適切な治療が重要です。しかし、高齢になると通院が困難になることも多く、そのような場合は訪問診療が頼りになります。本記事では、前立腺肥大の症状や治療法、そして訪問診療でできるサポートについて詳しく解説します。

前立腺肥大とは?

前立腺肥大(前立腺肥大症)は、前立腺が大きくなり、尿道を圧迫することで排尿に支障をきたす病気です。前立腺は男性特有の臓器で、膀胱の下に位置し、尿道を取り囲むように存在しています。年齢とともにホルモンバランスが変化し、前立腺が肥大することがあります。

前立腺肥大の主な症状

■ 排尿困難:尿が出にくい、勢いが弱い
■ 頻尿:昼夜問わずトイレに行く回数が増える
■ 残尿感:排尿後に尿が残っている感じがする
■ 夜間頻尿:夜中に何度もトイレに起きる
■ 急な尿意:我慢が難しい強い尿意

これらの症状は日常生活に大きな影響を与え、睡眠不足や外出のストレスなども引き起こすことがあります。放置すると尿路感染症や腎臓への負担が増えるリスクもあるため、早めの対応が必要です。

前立腺肥大の治療法

前立腺肥大の治療は、症状の程度や患者の健康状態に応じて異なります。

1. 薬物療法

  • α1受容体遮断薬:前立腺や膀胱の筋肉を緩めて排尿を改善
  • 5α還元酵素阻害薬:前立腺の縮小を促す
  • 抗コリン薬:過活動膀胱の症状を緩和

2. 手術療法

  • 経尿道的前立腺切除術(TURP):尿道から器具を挿入し、肥大した前立腺組織を切除
  • レーザー手術:前立腺をレーザーで焼灼する方法

3. その他の治療

  • 前立腺ステント:尿道にステントを挿入し、圧迫を緩和
  • 温熱療法:前立腺組織を縮小させるための熱エネルギーを利用
  • 訪問診療でできる前立腺肥大のサポート

    前立腺肥大の患者は、高齢で通院が難しい場合も多く、そのようなときに訪問診療が大きな助けとなります。

    1. 自宅での定期的な健康チェック

    訪問診療では、医師や看護師が定期的に自宅を訪問し、患者の健康状態を確認します。具体的には以下のような項目が含まれます。

    • バイタルサインの測定:血圧、心拍数、酸素飽和度などを測定し、全身状態を把握
    • 尿の状態の確認:排尿時の症状(頻尿、残尿感、排尿困難)や尿の色、においの変化を確認
    • 合併症の早期発見:尿路感染症や腎機能低下など、前立腺肥大に伴う合併症を早期に発見

    これにより、症状が悪化する前の適切な対応が可能になり、健康を長期間維持することができます。さらに、定期的な健康チェックは家族にとっても安心感を与える大切な要素です。

    2. 薬の処方・管理

    前立腺肥大の治療には薬物療法が一般的ですが、その効果を最大限に引き出すためには、服薬の管理が重要です。訪問診療では以下のようなサポートが行われます。

    • 薬の処方と変更:患者の症状や副作用に応じて、適切な薬を選択・変更
    • 服薬アドヒアランスの向上:定期的な訪問により、薬の飲み忘れや自己判断での服薬中断を防ぐ
    • 副作用のチェック:薬の副作用が出ていないか、定期的に確認し必要に応じて処方を見直す

    特に高齢患者の場合、複数の薬を服用しているケースが多く、飲み合わせや重複投与のリスクがあります。訪問診療では、これらのリスクを低減するための細やかなケアが提供されます。

    3. 相談・生活指導

    前立腺肥大は単に排尿の問題にとどまらず、生活全般に大きな影響を及ぼすことがあります。訪問診療では、患者やその家族に対して、日常生活におけるアドバイスやサポートが提供されます。

    • 生活習慣の見直し:水分摂取のタイミングや量、食事の内容、トイレへの動線の工夫など
    • 夜間頻尿への対策:就寝前の水分摂取を控える、トイレまでの安全な動線を確保する
    • メンタルサポート:夜間の頻尿や排尿困難に伴うストレスや不安を軽減するためのカウンセリング

    尿道カテーテルの管理

    尿閉が発生した場合や尿道の圧迫が強い場合、尿道カテーテルの管理が必要になることがあります。訪問診療では、これも自宅で対応することが可能です。

    • 定期的なカテーテル交換:感染症リスクを低減するため、定期的な交換が必要
    • 感染予防:カテーテル周囲の清潔保持、排尿路の観察
    • 合併症の早期発見:尿道感染症や尿路結石の兆候を早期に発見し、適切な対応を実施
    • カテーテル管理は専門的な知識と経験が必要ですが、訪問診療であれば、医師や看護師が直接サポートしてくれるため、安心して日常生活を送ることができます。

      訪問診療を利用するメリット

      訪問診療を利用することで得られるメリットは、単に通院の手間が省けるだけではありません。以下のようなさまざまな利点があります。

      • 通院の負担軽減:自宅で診察を受けられるため、移動や待ち時間のストレスがない
      • 細やかな健康管理:定期的な訪問により症状の変化を早期に察知し、重症化を防ぐ
      • 医師との密なコミュニケーション:患者様やご家族が医師と直接相談しやすい環境
      • 感染リスクの低減医療機関での感染リスクが軽減され、安心して診療が受けられる
      • 家族の負担軽減移動のサポートが不要になるため、家族の負担も軽減

      特に高齢者の場合、移動そのものが大きな負担となることが多く、訪問診療はその負担を大幅に軽減する効果があります。また、定期的な訪問により、医師や看護師との信頼関係が築かれ、患者やその家族にとって心強い存在となるでしょう。

      前立腺肥大でお困りの方は横浜ホームクリニックへ

      前立腺肥大の症状でお困りの方、通院が難しい方で横浜市・川崎市にお住まいの方は、ぜひ一度、横浜ホームクリニックへご相談ください。実際にご本人やご家族の状況をお伺いしたうえで、対象となるかどうか、どのような診療が可能かなどを丁寧にご案内させていただきます。まずはお気軽にご相談ください。

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