通院が困難な方が自宅等で医師の診察を受けられる訪問診療は、近年需要が拡大している医療サービスです。医師と看護師が定期的に訪問し診療や治療を行い、お薬の処方も行っています。この記事では、訪問診療での薬の処方についての流れや費用、また訪問診療での薬の取り扱いについて解説します。
訪問診療で薬を処方する際の一般的な流れ
訪問診療で薬を処方する場合の一般的な流れは次の通りです。
- 医師が診察時に処方箋を発行します。
- 受け取られた処方箋を、患者様ご自身またはご家族が薬局へ提出します。
- 薬局の薬剤師が処方内容を確認し、薬を調剤します。
- 患者様が調剤薬局へ薬を受け取りにいきます。
- 薬を受取り、薬代を薬局にお支払いいただきます。
訪問診療では、通院での診療と同じく院外処方が一般的です。そのため、医師が訪問時に発行した処方箋をご自身またはご家族様にて調剤薬局に提出いただき、お薬を受け取っていただく必要があります。処方箋は発行から4日以内に提出しなければならないので、注意しましょう。
薬局に行けない場合のサポートサービス
一人暮らしの方や外出が困難な方は、薬局での受け取りが難しいこともあるかと思います。そんなときは、薬剤師がご自宅まで薬を届ける「訪問薬剤管理指導」を利用することができます。
このサービスでは、薬の使い方や副作用の説明を詳しく聞けるほか、服薬の見守りも行います。薬剤師が訪問する際は、複数の薬を分かりやすく一包化するなど、服薬管理の工夫も提案してくれます。また、飲み忘れや副作用の有無を確認し、必要に応じて医師と相談して薬の変更を行うこともあります。
当院にて訪問薬局のご紹介も可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
訪問診療で薬剤師が訪問して行うこと
薬剤師の訪問指導では、処方された薬を届けるほかにも、次のようなお薬に関する指導を行います。
- 服薬の管理:お薬を飲み忘れないように、朝・昼・夕に飲むお薬をわかりやすく分けたり、数種類の薬を一包化したりして患者様が管理しやすいように整理します。
- 効果や副作用などの説明:効果や副作用について十分に理解していないと、ご自分で服薬を中止してしまうなどして病状が安定しないことがあります。処方された薬に対する正しい理解が得られるよう丁寧に説明をします。
- 残ったお薬の調整や処置:医師と相談し不要な薬を廃棄したり、併用禁忌の薬が出ないよう適切に処置したりします。
- 服薬による副作用からくる体調変化のチェック:食事や排泄、睡眠といった普段の生活の中から、薬の副作用による体調の変化がないかを訪問時に確認します。
訪問診療でのお薬にかかる費用
訪問診療には「基本診療費」と、必要に応じた検査料や処置費が加算されます。処方箋を発行する際にかかる処方箋料は、基本診療費に含まれています。
一方、薬の代金は薬局で支払います。薬剤師が訪問する場合は、別途「在宅患者訪問薬剤管理指導料」がかかりますが、介護保険を利用している場合は、介護サービスの一部として適用されることもあります。
訪問診療で可能なその他の医療サポート
訪問診療では、薬の処方に加えて、在宅酸素療法やカテーテルの管理、点滴、心電図などの医療処置も受けられます。また、リハビリや栄養管理、口腔ケアなど、訪問介護サービスと連携することも可能です。当院は専門医が診療を行い、訪問薬局など外部の医療機関とも連携し、患者様の療養生活を支えます。
訪問診療を考えている方は、ぜひ当院にご相談ください。皆さまの健康をサポートするため、できる限りの対応をさせていただきます。
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