甲状腺機能異常症(こうじょうせんきのういじょうしょう)は、甲状腺ホルモンの分泌量に異常が生じる疾患で、年齢や性別を問わず多くの人に影響を及ぼす可能性があります。特に高齢者では、ほかの病気と見分けがつきにくい症状も多く、見逃されやすい傾向にあります。本記事では、甲状腺機能異常症の種類や症状、原因、治療方法に加え、訪問診療でどのような対応が可能かについて、わかりやすく解説します。
甲状腺機能異常症とは
甲状腺は首の前側にある小さな臓器で、体の代謝を調整するホルモン(T3、T4)を分泌しています。このホルモンの量が多すぎたり少なすぎたりすると、体調にさまざまな変化が起こります。
主な種類
■甲状腺機能亢進症(バセドウ病など):甲状腺ホルモンが過剰に分泌される
■甲状腺機能低下症(橋本病など):甲状腺ホルモンの分泌が不足する
主な症状と見分け方
甲状腺の異常によって起こる症状は多岐にわたり、一般的な加齢による変化や他の慢性疾患と混同されがちです。
甲状腺機能亢進症の症状
- 動悸、手のふるえ
- 汗をかきやすくなる
- 食欲があるのに体重が減る
- イライラ感や不眠
甲状腺機能低下症の症状
- 疲れやすさ、無気力
- 体重増加
- むくみ、皮膚の乾燥
- 便秘、寒がり
原因と診断方法
甲状腺機能異常症の多くは自己免疫疾患によるもので、加齢や遺伝、ストレスなどが関係していると考えられています。診断は、血液検査によって甲状腺ホルモン(FT3・FT4)やTSH(甲状腺刺激ホルモン)の値を測定することで行われます。
治療方法と日常生活への影響
治療法は疾患の種類によって異なります。
亢進症の場合:抗甲状腺薬、アイソトープ療法、手術など
低下症の場合:不足しているホルモンの補充(チラーヂンSなど)
治療には長期的な内服管理と定期的な検査が必要なため、通院が負担になることもあります。
訪問診療でも甲状腺の管理が可能です
「毎月の通院が負担」「外来に行けないけど薬は継続したい」…そんな方には訪問診療がおすすめです。訪問診療では、医師がご自宅や施設に定期的に伺い、以下のような対応が可能です:
- 甲状腺ホルモン薬の処方・服薬調整
- 訪問採血によるホルモン値のチェック
- 日常生活での注意点や体調管理のアドバイス
- 他の慢性疾患との併用治療
とくに高齢者や寝たきりの方にとって、自宅で治療が完結することで安心感と継続性を確保できます。
まとめ
甲状腺機能異常症は、見逃されやすい慢性疾患のひとつですが、早期の発見と継続的な治療で十分にコントロールが可能です。症状に心当たりのある方や、通院が難しいご家族がいらっしゃる場合は、ぜひ一度ご相談ください。横浜ホームクリニックでは、訪問診療を通じて甲状腺疾患を含むさまざまな慢性疾患に対応しています。医師がご自宅に伺い、定期的な診察・お薬の管理・血液検査まで一貫して行います。お気軽にお問い合わせください。
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