2026年3月13日、横浜ホームクリニックにて、事務スタッフ向けの「Claude Code 入門講習」を実施しました。発表者は院長の大澤基、参加者は、当院経営企画部長 原嶋さん、事務長兼情報戦略部長 村上さん、情報戦略部 奈奈さん、増田外科の武田英明医師の計4名です。
今回の講習では、単なるAIツールの紹介ではなく、横浜ホームクリニックで実際に進めている業務改善の具体例をもとに、「AIを活用することで、日々のPC業務をどこまで効率化できるのか」を共有しました。当院では、最先端の技術を導入すること自体を目的にしているわけではありません。AIやデジタル技術を、現場で本当に役立つ形に落とし込み、スタッフが煩雑な事務作業に追われず、本来の業務に集中できる環境をつくることを大切にしています。
スタッフが「本来の医療業務に集中できる環境」をつくる
在宅医療の現場では、診療そのものだけでなく、その周辺に多くの事務作業や確認業務が存在します。
情報整理、記録確認、データ照合、日報作成、メール送信、連携先との対応など、どれも重要な業務です。一方で、手作業に依存しすぎると、時間がかかるだけでなく、確認漏れや転記ミス、属人化の原因にもなります。
横浜ホームクリニックでは、これまでも少しずつ業務の自動化や仕組み化を進めてきました。今回の講習で扱ったClaude Codeは、その取り組みをさらに前進させる手段の一つです。Claude Codeの特徴は、単なる文章生成ではなく、自然言語で指示を出しながら、実際のPC作業や情報処理を効率化できる点にあります。
私たちがAI活用を進める理由は、効率化の先にある、より良い医療の実現のためです。スタッフが本来向き合うべき患者さんやご家族への対応、医療の質向上に、より多くの時間とエネルギーを使える体制をつくりたいと考えています。
横浜ホームクリニックでの具体的な活用例
今回の講習では、横浜ホームクリニックで実際に取り組んでいる業務を題材に、Claude Codeの活用例を紹介しました。
※なお、AIツールの利用にあたっては、患者様の個人情報の取り扱いに十分配慮し、Anthropic社のプライバシー保護方針を踏まえたうえで適切に管理・運用しております。
1.レセプトの自動チェックシステムの構築
在宅医療では、診療内容や管理内容に応じて、算定の可否や算定漏れの有無を丁寧に確認する必要があります。しかし実際の現場では、確認項目が多く、カルテ本文や管理内容を見ながら一つひとつ確認する作業には、どうしても時間と労力がかかります。
今回紹介した仕組みでは、クラウド型カルテやレセプトの情報を抽出し、カルテ本文の内容を確認しながら、在宅管理に関する算定漏れや追加算定候補を自動でチェックしていく流れを構築しています。具体的には、次のような処理を行うイメージです。
- カルテ本文の読み取り
- 在宅酸素、人工呼吸器、CPAPなどのキーワード検出
- 算定候補や見直し候補の洗い出し
これにより、これまで人が時間をかけて実施していた確認作業を、より効率的に進めることが可能になります。もちろん、最終判断は人が行う必要がありますが、あらかじめ候補を洗い出しておく仕組みがあることで、確認の質とスピードを高めることができる点は非常に大きいと考えています。
2.休日・夜間日報の自動化と毎朝の自動メール送信
在宅医療では、休日や夜間に電話再診や往診が発生することがあります。その内容を翌朝、院内で共有しやすい形に整理することはとても重要ですが、毎回手作業で行うと、忙しい朝の時間帯には大きな負担になります。そこで、オンコールシステム上の情報をもとに、前日夜間から当日早朝までの対応内容を取得し、必要な案件を抽出・分類したうえで、毎朝自動でメール送信する仕組みの構築を進めています。具体的には、次のような流れです。
- 前日0:00から当日8:00までの対応内容を取得
- 対象を「電話再診」「往診」に絞る
- 事務連絡や単純な経過報告などを除外する
- 内容ごとに整理し、朝の確認に使いやすい形にまとめる
- 毎朝8:20に自動メール送信する
このようにしておくことで、朝の情報共有をよりスムーズに進めることができます。また、毎回同じ形式で整理されることで、読む側も情報を把握しやすくなり、共有の質の安定にもつながります。
参加者からの声
「今まで少しずつ自動化してきた業務が、Claude codeの利用により指数関数的に効率化することが分かりました。今後自分でも積極的に勉強していきたいです。」
― 原嶋さん
「こんなにClaude codeを利用している最先端のクリニックは他にない。素晴らしい。」
― 武田英明医師
これらのコメントが示しているように、今回の講習は単なる勉強会ではなく、これまで院内で積み上げてきた業務改善がさらに加速していく可能性を共有する場にもなりました。
横浜ホームクリニックでは、以前から少しずつ自動化や業務改善を進めてきました。Claude Codeのようなツールは、その延長線上にありながら、改善のスピードと幅を大きく広げてくれる存在だと感じています。
最先端の技術も、運用設計とマニュアル整備があってこそ活きる
横浜ホームクリニックでは、新しい技術を単に導入するだけではなく、現場で継続的に使える状態にすることを重視しています。そのためには、マニュアル整備、使い方の共有、確認フローの設計、誰がどこまで担当するのかといった運用面が欠かせません。
今回の講習も、「AIは便利そうだ」で終わるのではなく、実際の院内業務にどう落とし込むかを重視した内容としました。AIに任せる部分と、人が最終確認する部分を切り分けながら、無理なく実務に組み込んでいくことが重要だと考えています。今後、マニュアル等を整備しつつ導入していくことにより、スタッフが本来の医療業務に集中できる環境を作っていきます。
横浜ホームクリニックが目指す職場づくり
横浜ホームクリニックは、在宅医療の質を高めることと同時に、現場で働くスタッフの負担をどう減らし、より良い環境をどう作るかを大切にしています。医療現場では、丁寧さや正確さが求められる一方で、日々の業務量は決して少なくありません。だからこそ、デジタル技術やAIを上手に取り入れ、仕組みで支えられる部分は仕組みで支えることが重要だと考えています。
これからも、現場に根ざしたDXを進めていきます
今回のClaude Code 入門講習は、横浜ホームクリニックが進めるDXの一つの取り組みです。これからも、現場で本当に役立つ形を大切にしながら、業務改善と医療の質向上の両立を目指していきます。
横浜ホームクリニックでは、現場の課題に向き合い、より良い仕組みを一緒に考え、実行していける仲間を歓迎しています。在宅医療の現場で、患者さんに向き合う医療と、先進的な業務改善の両方に関わりたい方にとって、学びの多い環境でありたいと考えています。見学をご希望の方、当院の求人にご関心のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
この記事は 横浜ホームクリニック 院長 大澤基医師が監修しました。