近年、医療機器の進化により、エコー(超音波)検査も訪問診療の現場で受けられるようになっています。とはいえ、訪問診療でエコー検査が可能と言われても、「何ができるの?」「どんなメリットがあるの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。この記事では、訪問診療でエコー検査を受けることの利点や費用感について、患者様目線でわかりやすくご紹介します。
訪問診療でエコー検査が受けられるように
以前はエコー機器が大きくて持ち運びが困難だったため、エコー検査は病院でしか行えないものでした。しかし、近年は技術の進歩により、持ち運び可能な小型のエコー機器が登場し、訪問診療でも活用されるようになっています。これにより、通院が難しい方でもご自宅でエコー検査を受けることができるようになり、より気軽に、より早く医師による判断ができる環境が整ってきました。
訪問診療でエコー検査をするメリット
1. 取るべき対応がすぐにわかる
訪問診療のエコー検査は、医師が問診や診察をもとに「ここを見てみよう」と目的を持って行います。そのため、症状の原因を素早く絞り込みやすく、適切な対応を判断しやすいのが特徴です。「訪問で対応できる範囲か」「病院での精密検査や入院が必要か」といった判断も、その場でスムーズに行えるようになります。
2. 検査の負担が軽い
小型エコーを使った検査は、短時間で済むうえ、痛みもなく体への負担が少ないのが特徴です。従来のように、病院で長時間待ったり、複数回通院したりする必要がありません。特に高齢者の方や、体力の落ちた方にとっては、大きな安心材料になります。
3. 病状の変化をすぐ把握できる
すでに病名が判明している患者様の場合、経過観察として特定の部位を中心にエコーで確認できるため、病状の変化にいち早く気づけるというメリットがあります。定期的な訪問診療とエコー検査を組み合わせることで、急変のリスクを回避しやすくなります。
4. 在宅医療で対応できる範囲が広がる
エコー検査を取り入れることで、これまでは病院でしかできなかった判断や処置が、在宅医療でも対応可能になることがあります。たとえば、腹水の確認、安全な注射・処置の判断などにも活用されており、在宅医療の幅が広がっています。
5. ご家族ともスムーズに情報共有ができる
エコー検査は画像をその場でリアルタイムに確認できるため、医師だけでなく患者様ご本人やご家族も、症状や経過を視覚的に理解しやすくなります。「どんな状態なのか」が伝わりやすく、納得感のある説明につながります。
訪問診療でエコー検査を受ける費用は?
「便利そうだけど、費用はどれくらいかかるの?」という点も気になりますよね。訪問診療におけるエコー検査は、月1回の算定で400点(1点=10円)(※2025年4月時点)と定められています。つまり、
- 1割負担の場合:約400円
- 3割負担の場合:約1,200円
ただし、訪問診療そのものの診療費が別途かかるため、トータルでの費用は個々の診療内容により異なります。とはいえ、比較的安価にエコー検査が受けられるという点は、安心できるポイントの一つです。より詳しい料金については、下記のページをご参照ください。
訪問診療のエコー検査でいち早く病気の変化に気づける
訪問診療にエコー検査が加わったことで、通院の手間なく、タイムリーに症状の変化を確認できる環境が整いつつあります。従来は通院が必要だった診察や判断も、今ではご自宅で受けられるようになり、在宅医療の質が大きく向上しています。検査の負担も少なく、費用も比較的安価なため、訪問診療をご利用中の方やこれから検討されている方には、安心して受けていただける選択肢の一つです。「うちでもエコー検査をしてもらえるのかな?」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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