「長く寝ていたら背中に赤みが出てきた」「お尻の皮膚が破れてしまった」――これは褥瘡(じょくそう)、いわゆる「床ずれ」のサインです。褥瘡は放置すると急速に悪化し、感染症を引き起こすこともあるため、早期の対応が大切です。
この記事では、褥瘡の原因・予防・治療法と、在宅での訪問診療によるケアについて解説します。
褥瘡(床ずれ)とは?
褥瘡とは、体の一部が長時間圧迫されることで血流が滞り、皮膚や組織が壊死してしまう状態です。仙骨部(お尻)・踵・肩甲骨部・後頭部など、骨が出っ張っている部位に発生しやすく、寝たきりや車椅子の方に多く見られます。
褥瘡が起きやすい方の特徴
- 寝たきりや、長時間同じ姿勢でいることが多い方
- 低栄養・体重減少がある方
- 皮膚が乾燥・薄くなっている高齢の方
- 大小便の失禁がある方
- 糖尿病・末梢血管疾患がある方
褥瘡の進行ステージ
褥瘡はDESIGN-R(デザインR)などのスケールでステージを評価します。
- ステージ1:皮膚に赤みがあるが、皮膚は破れていない
- ステージ2:水疱・皮膚の一部がはがれた状態
- ステージ3:皮下組織まで及ぶ深い潰瘍
- ステージ4:筋肉・骨・腱まで達する重症の潰瘍
早期(ステージ1〜2)に発見・対処することで、悪化を防ぐことができます。
褥瘡の予防
体位変換
2時間ごとの体位変換が基本です。定期的に体の向きを変えることで、同じ部位への圧迫を分散します。介護者の負担軽減には、体位変換クッションや電動エアマットレスが有用です。
皮膚の清潔と保湿
皮膚を清潔に保ち、乾燥を防ぐことが重要です。失禁がある場合は特に早めに交換・清拭を行いましょう。
栄養管理
皮膚の修復にはタンパク質・亜鉛・ビタミンCが必要です。低栄養状態は褥瘡の発生・悪化を促進させるため、管理栄養士との連携による栄養改善が重要です。
訪問診療でできること
褥瘡の評価と処置
訪問診療の医師が定期的に褥瘡の状態を評価し、洗浄・外用薬の塗布・ドレッシング材の選択・変更など、適切な処置を在宅で行います。
訪問看護との連携
訪問看護師が毎日または定期的に訪問し、褥瘡の処置・観察・家族への指導を行います。医師と看護師が連携することで、状態の変化に迅速に対応できます。
専門医への紹介
重症の褥瘡や感染が伴う場合は、皮膚科・形成外科への紹介を迅速に行います。
まとめ
褥瘡は予防が最善の治療です。早期発見・早期対応がその後の経過を大きく左右します。「皮膚に赤みが出てきた」「傷が治らない」とお気づきになったら、早めにご相談ください。横浜ホームクリニックでは、褥瘡の在宅ケアに関するご相談を承っています。
この記事は、 横浜ホームクリニック 院長 大澤基医師が監修しました。