骨粗鬆症は高齢者に非常に多い疾患で、骨がもろくなることで骨折リスクが高まります。特に大腿骨(太ももの骨)骨折は、その後の生活の質を大きく左右する重大な骨折です。骨折後に自宅へ戻った後、どのように医療と生活を続けるかが、その後の回復を左右します。
この記事では、骨粗鬆症の基礎知識と、骨折後の在宅療養で訪問診療が果たす役割をわかりやすく解説します。
骨粗鬆症とは?
骨粗鬆症は、骨の量(骨密度)が低下し、骨の構造がもろくなる病態です。日本では推定1,280万人が骨粗鬆症と言われており、そのうち約80%が女性です。閉経後の女性やカルシウム・ビタミンD不足、運動不足、喫煙などがリスク因子となります。
骨粗鬆症が引き起こす骨折のリスク
骨粗鬆症があると、軽微な転倒や日常動作でも骨折することがあります。特に危険な骨折には以下があります。
- 大腿骨近位部骨折:転倒による股関節周囲の骨折。手術が必要なことが多く、寝たきりの原因になりうる。
- 脊椎圧迫骨折:背骨がつぶれる骨折。腰背部痛や身長低下の原因になる。
- 橈骨遠位端骨折(手首):転倒時に手をついて発生する。
骨折後の在宅療養での課題
骨折後に退院して自宅に戻ると、以下のような課題が生じます。
- 痛みの管理・服薬継続
- 骨密度の定期チェックと骨粗鬆症治療の継続
- 再骨折・転倒予防
- 筋力低下・廃用症候群への対応
- 日常生活動作(ADL)の維持・向上
訪問診療でできること
骨粗鬆症治療の継続管理
骨密度を維持・改善するための薬(ビスホスホネート製剤・デノスマブなど)の処方と定期的な評価を行います。治療を中断しないことが再骨折予防の最重要ポイントです。訪問診療では、通院しなくても薬の処方・注射の実施が可能です。
転倒・再骨折リスクの評価と予防
自宅内の転倒リスク(段差・浴室・照明など)を医師・看護師が確認し、環境整備のアドバイスを行います。必要に応じて住宅改修・福祉用具の導入を支援します。
訪問リハビリとの連携
理学療法士による訪問リハビリと連携し、筋力・バランス機能の維持を図ります。骨折後の機能回復には、医師・リハビリスタッフが連携した継続的なアプローチが欠かせません。
痛みの管理
圧迫骨折による慢性的な腰背部痛などに対し、鎮痛薬の処方・調整を行います。痛みを適切にコントロールすることで、リハビリの質も向上します。
骨粗鬆症は「無症状」だから気づきにくい
骨粗鬆症は骨折するまで自覚症状がないことが多いため、骨密度検査を定期的に受けることが早期発見の鍵です。在宅でも採血による骨代謝マーカーの測定が可能です。
まとめ
骨粗鬆症・骨折後の在宅療養では、治療の継続・転倒予防・リハビリの3本柱が重要です。訪問診療を活用することで、通院が難しくても在宅で骨粗鬆症の管理を続けることができます。横浜ホームクリニックでは、骨折後の在宅療養に関するご相談を承っています。まずはお気軽にお問い合わせください。
この記事は、 横浜ホームクリニック 院長 大澤基医師が監修しました。